13 5月

「愛の回復への関係の創造」

私が、ある山里で知り合った人がいる。ある日、その人が、間伐した木をのせる運搬機か、農機具か、詳細には聞かなかったが、そのどちらかに乗って、林道の坂道をあがっていく途中で、何が起こったのか、林道からそれて転げ落ち、自らは片足を失うという大怪我をされた。結局、義足を装着しての生活となる。
先日、その人が赤い羽根共同募金の協力のお願いということで、義足を装着して坂道をあがって来られた。その姿に正直なところ、私はビックリした。何故ならば、余りにも回復が早いからである。私は、その理由を尋ねた。2つのことを語ってくれた。病院での歩く練習、いわゆるリハビリは勿論のこと、人一倍努力したことであろう。
1.回復したいという「人一倍強い意識」がないといけない。要は、自分が自分に負けたらあかん。
2.自分の家には、愛犬がいる。この愛犬が私の回復への二人三脚の相棒だ。つまり、愛犬と散歩していると義足の自分を力強く引っ張るという。転げそうになっても必死になって引っ張るという。それが、かえってリハビリのかわりになり、回復を早めることになった。
誰でも、語れることかもしれない。私には、そのようには受けとめることができなかった。彼自身の生き方と愛犬を通して、「愛の回復」を深く学ぶ貴重な一時となる。
これは余談となるが、私が堺で就労継続支援B型に取り組んでいることを知る余地もない人が、奇遇と思える次の話をされて帰宅した。
自分は自宅にいてもやることが少ないから、普段は就労継続支援B型の事業所に通所していると伝えてくれた。
人間というのは、本当に我々の想像を超える何かで結ばれていると心底感じてならなかった。